奨学金と収入認定

今日、子供の奨学金を理由に親の生活保護費が減額されたというのがニュースになっていました。 この市の決定はかなり問題があると言わざるをえません。 たしかに、収入があればその分生活保護費が減額されるのはわかります。 しかし、奨学金はそもそも収入ではありません。借りたお金ですので返す必要があります。もちろん利息をつけて。また、遊ぶお金を借りているわけではありません。学業を身につけるという正当な理由のために借りているのです。このお金は当然授業料等にあてられるので、生活費は苦しいままです。 生活保護の大原則は、収入を得る事ができない人のために最低限の生活を保障することです。そうであるならばその収入とは当然返す必要のないお金のことです。簿記を語るまでもなく、現金が入っても、同額の借入金が増えるので、純資産はなんら増加しません。このような性質のものを収入として認定するのは、生活保護の趣旨からいってもおかしいです。 本件では受給者の方が市を相手に処分の取り消しを求めて提訴したようですが、裁判所はぜひ生活保護の現状をくみ取った良識ある判決をしていただきたいと思います。

この記事は、当法人代表 小林一行が以前運営していたブログ「てくてく歩く」(kobayashiikko.com) に掲載していたものを、みらい司法書士法人サイト統合に伴い再掲したものです。執筆当時の法律・実務の状況に基づく内容です。
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