Personal Bankruptcy

自己破産

裁判所への申立てにより、借金の支払い義務をすべて免除してもらう手続きです。「最終手段」「重大な決断」というイメージから抵抗を感じる方も多いですが、実際には多くの誤解があります。生活に必要な最低限の財産は残せますし、日常生活への影響もごく限定的です。生活の再スタートを切るための、法律で認められた正当な権利です。

自己破産のご相談イラスト
自己破産とは よくある誤解 メリット・デメリット 手続きの流れ よくある質問 費用

自己破産とは

About Personal Bankruptcy

借金の支払い義務をすべて免除してもらう手続き

自己破産は、借金が膨れ上がって今後の支払いが不能になった場合に、裁判所への申立てによって借金の全額を免除してもらう手続きです。返済の見込みがない状態が長引くほど、利息や遅延損害金で借金は雪だるま式に増えていきます。早めに区切りをつけて生活を立て直すことが、ご本人にとってもご家族にとっても最善の選択になることが少なくありません。

自己破産には、保有する財産を換価して債権者に分配する手続きが含まれますが、生活に必要な最低限の財産(自由財産)はそのまま残せます。家財道具がすべて持ち去られるようなことはありません。

個人で自己破産を申し立てるケースの多くは「同時廃止事件」として扱われます。これは、めぼしい財産がない場合に、破産手続開始と同時に手続きを終了させる簡易な進め方で、期間も費用も少なくて済みます。

▶ 自己破産で残せる財産(自由財産)の例

・現金99万円まで
・残高20万円以下の預貯金
・1点の評価額20万円以下の家財・生活用品
・支給見込額の3/4以下の退職金(在職中の場合)
・解約返戻金20万円以下の生命保険
・差押え禁止財産(年金・生活保護費など)

自己破産に対するよくある誤解

Common Myths

自己破産には実際以上に重いイメージがあり、それが原因で手続きを躊躇される方が多くいらっしゃいます。実際の影響は限定的で、日常生活に大きな支障はありません。代表的な誤解を整理します。

年金がもらえなくなる
年金の受給権は差押え禁止財産で、自己破産しても全額そのまま受給できます。
選挙権がなくなる
選挙権を含む基本的人権は一切影響を受けません。投票も立候補も普通にできます。
戸籍に載る
戸籍にも住民票にも記載されません。本籍地市区町村の「破産者名簿」には載りますが、第三者は閲覧できません。
銀行口座が作れなくなる
新規の銀行口座は普通に作れます。預金通帳の作成にも影響はありません。
家財道具を全部持って行かれる
日常生活に必要な家電・家具・衣類などはすべて手元に残ります。高価な美術品や宝飾品でなければ問題ありません。
海外旅行に行けなくなる
免責後はもちろん、手続き中でも裁判所の許可があれば海外旅行は可能です。
子どもの進学に影響する
お子様の進学、就職、結婚などへの法律上の影響は一切ありません。奨学金の利用にも影響しません(保証人にならない場合)。
勤務先に必ずバレる
原則として勤務先に通知されることはありません。給与差押えがある場合のみ勤務先が関わりますが、それも限定的です。

自己破産のメリットとデメリット

Pros & Cons

▶ メリット
  • 借金の支払い義務がすべて免除される
  • 受任通知発送と同時に取立て・督促がストップします
  • 給与差押えがあれば、それも停止します
  • 自由財産として、生活に必要な財産は手元に残せます
  • 免責確定後は、新しい人生の再スタートを切れます
  • 収入が少なくても利用できます(むしろ収入がないほど認められやすい)
▶ デメリット
  • マイホームや高価な財産は手放す必要があります
  • 個人信用情報機関に事故情報が登録される(5〜10年程度
  • 官報に氏名・住所が掲載されます(一般の人が日常的に見るものではありません)
  • 手続き期間中、一部の職業に就けません(保険外交員・警備員・士業など。免責決定で復帰できます)
  • 保証人がついている借金は、保証人に請求が及びます
  • ギャンブル・浪費が原因の場合、免責不許可事由として審査が厳しくなります

自己破産の手続きの流れ

Process

1. 無料相談

借金状況・収入・財産の有無・原因を詳しくお伺いし、自己破産が適切かを判断します。

2. 受任・受任通知発送

委任契約締結後、各債権者に受任通知を送付。取立て・督促はストップします。

3. 必要書類の収集

住民票・戸籍謄本・給与明細・通帳・財産関係書類など、申立てに必要な書類を集めます。司法書士がリストをお渡しします。

4. 申立書の作成

破産申立書・債権者一覧・財産目録・陳述書(破産に至った経緯)などを作成します。

5. 裁判所への申立て

管轄の地方裁判所へ申立書を提出します。

6. 裁判官との面接

裁判官と数十分程度の面接を行います(司法書士が同行)。経緯や反省点などをお話しいただきます。

7. 破産手続開始決定

裁判所が破産手続を開始。財産がほとんどなければ同時廃止として手続きが終了します。

8. 免責審尋・免責決定

免責の可否を裁判所が判断します。免責決定が確定すれば、借金の支払い義務は消滅します。

よくあるご質問

FAQ

家族や会社に知られずに手続きできますか?
原則として勤務先には通知されません。家族については、同居家族の収入を証明する書類が必要な場合があり、その範囲では協力が必要です。郵便物の宛先や連絡時間帯はご希望に合わせて配慮します。
ギャンブルや浪費で作った借金でも免責されますか?
ギャンブルや浪費は免責不許可事由に該当しますが、現実には裁量免責で免責が認められるケースがほとんどです。反省の状況や生活改善の見込みなどを総合的に判断します。隠さず正直にお話しいただくことが重要です。
借金の原因が病気や失業の場合は?
やむを得ない事情による借金は、免責が認められやすい傾向があります。病気、失業、離婚、家族の介護などの事情は、申立書の中で丁寧に説明します。
マイホームは絶対に手放さなければいけませんか?
自己破産では、住宅は換価対象になるため、原則手放すことになります。マイホームを残したい場合は、個人再生(住宅ローン特則)を検討します。詳しくは個人再生のページをご覧ください。
車は残せますか?
評価額が20万円以下の車は、自由財産として残せる場合があります。ローンが残っている車は、所有権が信販会社にあるため引き上げられるのが原則です。
どれくらいの期間がかかりますか?
同時廃止事件の場合、申立てから免責決定までおおむね4〜6か月です。管財事件になると、もう少し時間がかかります(半年〜1年程度)。
手続き中に給与差押えされたら?
破産手続開始決定がなされれば、給与差押えは中止されます。差押えが既に始まっている場合でも、すぐに手続きを進めることで停止できますので、早めにご相談ください。
税金や滞納家賃も免責されますか?
残念ながら、税金・社会保険料・養育費・損害賠償(故意の不法行為)などは免責の対象外です。これらは破産後も支払い義務が残ります。
破産すると就職できなくなりますか?
破産しても、ほとんどの職業に就けます。手続き中(破産開始決定から免責確定まで)に限り、警備員・保険外交員・士業など一部の職業に制限がありますが、免責確定後は復帰できます。一般企業への就職や転職には法律上の制限はありません。

自己破産の費用

Fees

自己破産手続きにかかる費用
相談料0円
報酬借金の総額が 200万円未満 :220,000円
借金の総額が 200万円以上 500万円未満 :275,000円
借金の総額が 500万円以上 :330,000円

この他に裁判所に収める費用として、2万円ほどの実費がかかります(収入印紙、切手代、予納金)。

大きな財産(不動産など)を保有していたり、負債の額がかなり多額であるといった事情がある場合は、裁判所の指示により管財事件という扱いになる事があります。この場合は、別途予納金等の管財費用がかかります。

費用はすべて分割が可能です。受任通知の発送後は業者への返済が止まるため、その分の余力から無理なくお支払いいただけるよう設定します。

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